お薦め本
2021.12.27
私はこの本を読み平常心という意味を理解し、仕事にも役立てています。
悩みは常に「あるもの」と理解すれば、悩んでいる事はある意味「よくある事」と解釈でき、
少しは心が楽になります。同時に解決策も「ある」のだから、もっと軽くなります。
後は「無常」でしょうか。状況は常に変わる、安泰はない、等に対応可能な心を作ると言った
ことでしょうか。
是非ご参考になさって下さい!
本年もお世話になりました。
それでは皆様よいお年をお迎え下さい(^.^)/~~~
第1章 反応する前に「まず、理解する」
悩みを解決する上でまず必要なのは、私たちが日頃抱えている「悩み」を「理解する」することから始まります。
順を追って「理解」していくことで、どんな悩みも確実に解決できるというのが、ブッダの合理的な考え方です。
ここで重要なのは「現実を受け入れる」のではなく「そこに問題がある」とその問題を自覚することです。
「ある」ものは「ある」とまず理解することが解決への第一歩となります。
悩み・苦しみの「原因」は何なのか?
悩みを理解できたら、次に悩み・苦しみの原因は何なのかについて
仏教の世界では「苦しみの原因は執着にある」とよく語られますが、執着以前に悩みを作り出しているものが「心の反応」であることが明らかになっています。
具体例としてあげると、
嫌なことがあってつい腹を立てる。
他人の目を感じて疑ったり不安になったりする。
忌まわしい過去を思い出して、ずっと後悔してしまう。
これら全部が「心の反応」です。
となると、私たちがすべきことは「ムダな反応をしない」ようにすることが重要です。
心の反応をしてしまうのは、人間が元から持っている7つの欲求がありこれらを求めるエネルギーがあるために人は反応していまいます。
これらの欲求が満たされるときは喜びに繋がるが、反対にこれらの欲求がかなわない時に初めて不満=「満たされない心」が生まれる原因となるわけです。
注意すべきなのは、筆者が「これらの欲求を求めるな!」と言っているわけではなく、あくまで「心はこれらの欲求を求め続けるものである」と理解することが大事であると語っています。
目の前の大きな不安や不満が「人生とはそういうものである」と俯瞰的にみることができるため心を落ち着かせることができ自分自身大きな肯定をすることが可能となります。
心の状態を見る手順とは?
「反応せずに、まず理解する」
ことが悩みを解決する方法というのが分かりました。
特に「心の状態を見る」という習慣を持つことで日頃のストレスや怒り、落ち込みや心配などの「ムダな反応」を押さえることができます。
心の状態を見るための方法を3つ紹介します。
この3つの方法は本書のテーマである「反応しない練習」のもっとも重要な方法となるので、ここは必ず押さえておきましょう!
①ココロの状態を言葉で確認する
まずは、心の状態を言葉で確認する方法です。
具体例をあげます。
たとえば、苦手な人の前で緊張してしまったら、「わたしは緊張している」と確認したり、期日間近の仕事で慌てていたら、「アタマが混乱して落ち着かない」と客観的に確認したりします。
言葉で確認することを仏教の世界ではラベリング(ラベル貼り)と呼び、心の状態に「名前」を貼って客観的に理解してしまうんです。
パソコンの作業をしている時は「作業している」など日常の動作にも同じようにやっていきありのままに言葉で確認していきます。
このようにして心の状態、体の動作を客観的に言葉で確かめる習慣を身につけていけば「反応から抜け出し、心を落ち着かせる」ことができるんです。
②カラダの感覚を意識する
もう一つは「感覚を意識する」という方法です。
これはストレスや疲れが貯溜まった心をリフレッシュするのに抜群の効果があります。
まずは目を閉じて、自分の手を見つめてください。暗闇の中に「手の感覚」がありますね。
その手を見つめながら上に挙げてください。「動く感覚」があります。
このように体の部分を動かしながら、その感覚を意識していくことで、ムダな反応は止まり、心は静まり深い落ち着きと集中が可能になります。
③アタマの中を分類する
これは、心の状態をいくつかの種類に分けて理解する方法です。
「言葉で確認する」と似ていますが、もう少し大雑把に観念的に理解することに特徴があります。
基本は
- 貪欲(過剰な欲求に駆られている状態)
- 怒り(不満・不快を感じている状態)
- 妄想(想像したり、考えたり、思い出したりとぼんやり考えている状態)
の三つに分類することです。
「貪欲」「怒り」「妄想」は人間の三大煩悩とされており、今はこうした煩悩を「戒めなさい」という意味合いで説いていますが、ブッダが生きていた当時、これらは「心の状態を理解するためのツール」だったんです。
つまり、これらの煩悩は悪いものなので徹底的に排除するものではなく、こういうことが起きた時はそれは煩悩だから起こったその事実を受け止めましょうねというように使われていたそうです。
仏教=ブッダの教えとは「正しい理解によって、人間の苦悩から自由になる方法」のことだといえます。
第2章 「ムダに判断」していませんか
人が悩んでしまう理由の一つに「判断しすぎる心」があると筆者は言っています。
- この仕事には意味があるんだろうか?
- 自分の人生は生きている価値があるのか?
- あの人は自分より仕事ができるし、どうせ自分なんて・・・
これらすべては判断によってから不安や憂鬱、心配事を生み出してしまっているというわけなんですね。
では、判断しない方が生きやすいはずなのに、なぜ人はあれこれと判断したがるのかは2つの理由があります。
- 判断すること自体が「気持ちのよい」ことだから(結論が出せた気がして、安心できる)
- 判断することで認められた気分になれるから(「私が正しい」と承認欲求が満たせる)
たしかに心あたりがありますよね。
判断によって良い方向にいくこともありますが、どんな判断であれ執着してしまうとそれは「苦しみ」に変わってしまいます。
判断を手放す方法とは?
結論からいうと「判断は、アタマの中にしか存在しないから妄想である」と気づき、手放すことです。
人を苦しめる判断には「自分は偉い」「正しい」「他人より優れている」と肯定しすぎる思いがあります。これを仏教では「慢」と呼びます。
特に最近はtwitterやインスタなどのSNSが盛んになったことで他人と比較しやすくなり、「慢」という心理を抱きやすくなってしまっています。
自分は正しいと判断するのではなく、「真実であり、有益である」という判断基準を設けることこそが重要です。
その判断基準を設けたら「ムダな判断」をしないようにしていきましょう。
その手法は以下の通りで第一章で述べた、心の状態をみるための3ステップと非常に近いものとなっています。
- 「判断」に気づく
- 「自分は自分」と考える
- 「素直になる」
このように判断をすることをやめ、「わたしはわたしを肯定すること」により今を見据え、正しく理解することでここからできることに専念していきましょう。
第3章 感情を上げもせず、下げもせず
職場でも、家庭でも、どこに行っても人は「感情」に悩まされます。
感情もまた心の反応です。この章では、感情で「損をしない」ための知恵を学ぶことができます。
仏教によれば、感情をめぐる悩みは大きく2つに分けて考えることができます。
- 不快な感情が生まれるのを防ぐ。湧いてしまった感情は早めに解消する
- 相手とどう関わるかを考える
①は感情の問題で、②は「関わり」の問題です。ほとんどの人が二つの問題をごちゃごちゃにしていますが、これらをわけて考え、対処することができます。
①の部分は前章で述べた手法で解決できるので、ここでは②の相手とどう関わるかを考えてみましょう!
困った相手とどう関わるか
「関わり方」とは仏教的にいえば、「相手にどんな心をむけるか」ということです。
相手に向ける心を確立することで人間関係で苦しまない生き方が可能になります。
ここでは、相手の関わり方の原理原則をまとめてみましょう!
①「相手のことを判断しない」というのはすでに学んだ「判断しない」の実践です。
人間にとって一番大切なのは「心に苦悩を溜めない」ことです、そのため苦しみを引きずることになる相手への判断もないほうがいいんですね。
相手が身近で大切な人であればあるほど、余計な判断はしないに限ります。
②の過去は忘れるということも重要です。
どうしても人は過去の出来事をいつまでも覚えていて相手にもその記憶を通して向き合ってしまいがちになります。
ただ、その記憶が「またか」という反応とともに新しい怒りを誘発してしまうんですね。
つまり、過去を思い出し、記憶に反応して、新しい怒りを生むという悪循環を生んでしまうということになります。
その対策として③の相手はいつでも「初めて会った人」と考えるのが重要です。
「記憶は記憶。思い出しても反応しない」これは、仏教を学んで得られる最高の知恵かもしれません。
仏教では、人も心も「無常」(移ろいゆくもの)と捉えられます。
自分自身さえ、心はコロコロと変わり続けてるので、相手ならなおさら変わっている可能性が高いです。
「過去にあんなことをした、言われた人」と向き合うのではなく、全く新しい人としてとらえるべきなんです。
そして④相手と理解しあうことを最終ゴールにしましょう。
相手と関わるときに「反応しないこと」が大事だとこれまで述べられていますが、相手に無関心でいるとか、我慢することではなく「心の前半分を相手への理解に後ろ半分は自分の反応を見ること」に努めてなんとか反応したがる心に負けないようにしましょう!
苦しむために関わっているのではない。
理解しあうために、お互いの幸せのために、関わっているのだ
第4章 他人の目から自由になる、第5章「正しく」競争する、と他者とのかかわる中での自分との向き合いかたと考え方を筆者は述べています。
原則的な考え方はこれまで述べたものと同じになりますが、もっと具体的に知りたい人はぜひ本書を読んでみてください。
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最終章 考える「基準」を持つ
これまで「生きるなかでの悩みとの向き合いかた」について述べてきました。
多くの人は心の拠り所を「心の内側」ではなく、世俗の世界(お金、快適なくらし、地位、名声など)に求めてしまうからこそ、欲と怒りと妄想を創り出し煩悩が生まれてしまいます。
人が目指すゴールは「自分自身が最高の納得」をすることです。
人と比較するのではなく、自分を自分と認め、現実と向き合っていくなかで納得できる生き方をしていくことが重要です。
自分の人生を信頼し、迷うことなくその道を突き進んでいくことで納得にたどり着くことができるはずです。
悩んだときには、もう一度心の状態を見る3ステップを思い返して、実践していくことでムダな反応をしないようにしていきましょう!